2世帯住宅にリフォームする場合、2階へ浴室を増設することはできますか?
はい、もちろん2階へ浴室を増設することは可能です。
最近では、2世帯住宅にして主要な設備をそれぞれ1階と2階に設ける方も増えています。生活時間帯が違う場合は、お風呂に入る時間も異なるため互いに気を遣わなくても済むので、各階に浴室があると円満な同居生活が実現できます。
2階への浴室設置で注意すべき6つのこと
2階に浴室を設置する際に、通常の1階に設置する時とは異なる注意事項がいくつかございますので、よろしければ参考にしてください。
注意事項1:水漏れに気を付ける
2階で水漏れが発生した際に、1階部分にも影響します。もし、2階で水漏れが起きたら1階部分の天井に染みができたり、柱などが腐食する恐れがあります。
2階部分に設置した浴室がユニットバスの場合は、水漏れの心配はあまりありませんが在来工法のお風呂の場合は水漏れする心配があります。
注意事項2:水圧が弱くなる可能性が高い
2階以上にお風呂を設置する場合は、シャワーの水圧が弱くなる可能性が高いです。特にオール電化のご家庭では、水圧が弱くなりやすいです。
オール電化の場合は、貯蓄タンクの水圧がガスに比べ弱いので、高層階に浴室を設置する場合は水圧が弱くなることがあります。
オール電化だけでなく、ガスを利用していても水道の水圧によって、シャワーの出が弱くなる可能性も考えられます。
注意事項3:1階部分への水音の伝わり
なかなか設置前に気くのが難しいのが、2階にお風呂を設置した際、お風呂を利用している間の水音が1階に響く可能性があります。特にお風呂を設置した場所の真下の部屋には音が響くため、浴室下の1階部分に寝室や客間にする場合は防音対策などが必要になりますので注意しましょう。
注意事項4:浴槽の重量について確認
2階にお風呂を設置する場合は、設置する浴槽に耐えることが出来るかを確認する必要があります。事前に、ご自宅の1平方メートルあたりの荷重を確認するようにしましょう。
浴槽だけでなく、水を浴槽に入れるとかなりの重さになります。
注意事項5:配管設置場所の確認
2階以上に浴室を設置する場合は、配管を通すパイプスペースが必要になることがあります。重量のあるお風呂を2階に設置する場合は、お風呂を置く場所の階下を補強しなくてはいけません。補強工事が必要になることもあるので、プラスでかかる費用があることを把握しておきましょう。
注意事項6:今だけでなく将来・老後のことも考慮する
今現在のことだけを考えて2階にお風呂を設置した場合、将来的に階段の昇り降りが億劫で1階の浴室しか利用しなくなったという方もいらっしゃいます。
将来のことや同居しているご家族の年齢などを考えて設置することをおすすめします。
水圧問題を解決する方法とは?
2階に浴室を設置したい場合は、事前に水圧対策しておくと安心です。
特にオール電化を利用する場合は、シャワーの水圧が弱くなる可能性が高いです。それは、オール電化で使用する給湯器に問題があります。オール電化で使用する給湯器は「エコキュート」が一般的です。
エコキュートは、空気の熱を利用してお湯を沸かす給湯器です。電圧の安い夜間時に給湯器にお湯を貯めて、日中にその貯めたお湯を利用する仕組みになっている給湯器です。
エコキュートには、減圧弁というものがあります。この減圧弁の設定によってエコキュートの水圧は200Kpa以下の弱い水圧になっています。
一般的な水道の圧力は、500Kpaなので半分以下の水圧であることが分かります。
水圧の問題を解決するには、給湯器をエコキュートではなく高圧給湯器に替えることで、シャワーの水圧問題は解決できます。
まとめ
2階以上に浴室を設置する場合は、設置する前に確認しておくべきことがいくつかあります。まずは、設置したいと思っている浴槽の重さが、ご自宅の耐えられる重量なのかを確認しましょう。今の1階天井部分だけでは、浴槽+水量が耐えられない場合は浴室を支えるための下地補修が必要になります。
また、水音も1階部分に響くことが考えられますので2階のどの部分に浴室を増設するかは、1階部分に住まわれるご家族ともよく相談をして決めることをおすすめします。
どうしても音が伝わるのを防ぎたい場合は、防音工事などが必要になります。
浴室を2階に設置してから、様々な問題が出てきて再度リフォームしなくてはいけなくなったということを防ぐためにも、起こり得ることを先に知っておくことが大切です。